危険なおもちゃ:
誤飲の恐れや
異臭に注意を、と国民生活センターが呼びかけた。
玩具売り場には、カラフルで面白そうな多種多様なおもちゃが並ぶ。ところが、国民生活センターが調査したところ、子どもがのどに詰まらせる危険性があったり化学物質の異臭がしたりする製品が何種類も見つかった。購入する際には、安全性を第一に考えて選びたい。
同センターに寄せられた危害情報のうち、玩具に関するものはこの5年間で1820件寄せられている。「9カ月の子どもがおしゃぶりを全部口へ押し込み、のどの奥に詰まらせた」「積み木を口に入れたままうつぶせになり、口の中にけがをした」といった事例があったため、口に入れる可能性の高い玩具の安全性を調査した。
調査対象は18カ月未満の乳幼児用の玩具で、ガラガラや歯固めなど33銘柄。日本玩具協会の安全基準と試験方法を参考に、子どもの口腔(こうくう)内のサイズを模した検査用器具に通したところ、3分の1に当たる11銘柄が通過または器具から突き出て、実際に口に入れると、のどに詰まらせたり傷つけたりしてしまう可能性があると分かった。同センターは「子どもが遊んでいる時は目を離さないように」と呼びかけている。
一方、塗料で着色された積み木など木製玩具の中に、揮発性有機化合物(VOC)のトルエンやキシレンが放散されるものがあることも分かった。
同センターに寄せられた情報の中には「袋詰めの積み木を購入し開封したら異臭がして、子どもが気持ち悪くなった」「積み木が変なにおいがして目がちかちかする」などの苦情があった。
塗料で着色された0~3歳児向けの木製玩具14銘柄を一定量の空気と共に密封し、24時間たってその空気を分析したところ、7銘柄から塗料の溶剤として使われるトルエンやキシレン、エチルベンゼンが検出された。これらは男女14人によるモニターテストでも、においが強く、不快度が高かった。
玩具からのVOCの放散については、基準がない。経済産業省製造産業局日用品室は「対策として何ができるのか、業界と相談していきたい」と話す。同センターはメーカー団体の日本玩具協会に、放散をできるだけ低減するよう要望した。
毎日新聞 2006年1月13日 東京朝刊から