こんにちは。過日、外来の妊婦さんから、「先生のコラムは面白いから、もっと頻繁にいろいろ書いてください。楽しみにしています。」と言われました。「よっしゃー!」とお返事はしたものの、なかなか書けなくってすみません。
実は、今年の3月13日(日)夜半に突然の腹痛と腰背部痛が起こり、口もきけず悶絶してしまいました。仕事柄、救急車を呼ぶわけにも行かず、しばらく歯を食いしばって我慢していましたが、そのうち口がカラカラになって、生唾が込み上げてきて突然に嘔吐をしてしまいました。
医者になって初めて経験した痛みでしたが、♪陣痛はもっと凄いって言うじゃな~い?!・・・私は女性じゃありませんから、♪・・・残念! (このフレーズもう古い!)
産科医ながら、自分の悶絶中に、あらためて妊婦さんの辛さを再認識しました!
自分で点滴と鎮痛剤を投与しましたが治まらず、翌日の月曜日に近くの総合病院に入院しました。自覚症状から尿管結石発作ではないかと思っていたのですが、検査を受けてみるとやはり、右尿管の第2狭窄部に直径6-7ミリの石がレントゲンに写っていました!
「あー、僕もオッサン病にかかるんだな~」と妙に神妙な気持ちで、泌尿器科の先生の説明を受けました。入院後、石が動いたのか、ようやく疼痛発作が治まり、伊藤病院で私の執刀の手術予定が詰まっているので1泊のみで逃げるように退院してきました。
疼痛発作はその後2ヶ月間にわたり4-5回起こり、その都度点滴と痛み止めをしていました。なかには、痛みの最中にお産が始まったこともありました。この時のお母さんは同業の女医さんでしたので、事情を話して、点滴したまま赤ちゃんを取り上げました(すみません)。
最近は、段々と痛みの場所が膀胱に近くなり、常時強い尿意を感じながら診察していましたが、ついに、昨日! 尿道の強い痛みを伴なって結石が尿にブルブルと押し出されて排出されました。痛かったですが、直ちに石を回収して写真を撮りました。結石を成分分析に出さなければならないのですが、妙に愛着があり、まだ手元に置いています。(患者さんが術後に摘出したご自分の臓器を見たいと仰るのはこんな心境なのですね、きっと。自分を苦しめた”自分”に妙な親近感を覚えるのです。)
石が出た今日の朝は快晴。気分も良好です。
この2ヶ月間、痛みを堪えながら診察していた日がありましたので、患者さんには、「先生、最近冗談を言わないな~?」と、ご迷惑をお掛けしたかもしれません。
コラムを借りてお詫びを申し上げます。