2歳児が車の窓に首を挟まれ意識不明の重体(のちに死亡)という記事が飛びこんできた。
いつもながらその時の状況に思いを巡らすと、ご家族にとって余りに悲惨な事故だ。
何故なら親は「加害者」であると同時に「被害者」であるからだ。
記事のコメントをみると、
「チャイルドシートに座らせておけばこんなことにはならなかっただろう・・」
「運転席のウインドロックをしておけば防げた・・・」
「親が子どもを遊ばせすぎ・・・」などの厳しい意見が目立った。
しかし、私には違う意見がある(私は1990年代にチャイルドシートを中心に子どもの事故防護活動をしてきた)。
結論から申し上げればこれはメーカーにも責任がある。
それは、オートウインドの自動停止装置が装備されていないか、働きが不完全だからだ。
オートウインドが普及し始めた頃、大人でさえ指を挟んだりする事故が多発した。
このため一部メーカーは自動停止装置を装備した。つまり閉まる途中で「抵抗」があるとモーターが止まるのだ。
この仕組みは、太い大根!使って盛んにデモされたものだ。
最近では建物の自動ドアのように危険な場合に停止して再び開く仕組みが採用されている。
今回の件でもし窓が途中で停止し、戻っていたら子どもは救われただろう。
詳しく述べるとそれでもスイッチの押し方でこの機能は作動しない(閉まってしまう)
ことがある。
自動車はコストダウンより、2重、3重の安全を重視されるべきだ。
この事故は、(表に現れない)オートウインドの機構に対する車メーカーに責任の
一端が問われるべきだ!
敢えて医療従事者として付け加えたいことがある。
それは「加害者」として母親の法的責任を問われるだろうが、一方で「被害者家族」の
悲しみを和らげてあげないと立ち直れないだろう。窓に挟まれた事故の責任(の一部)を
車メーカーが受けとめ、安全構造をさらに進化させなければならない、と私は思う。
*同じ首挟まれ事故は、2023年12月父親が運転する自動車でも起こっている。