樹木希林さんが亡くなった。
彼女が全身にがんが転移していることを公表して以来、随分経っていたから、彼女のがんは進行はしていないのだろうか?と、何となく気にはなっていた。
身近にいるわけではないから、彼女が、これまでどのようにがんと付き合ってきたのか知る由もなかったが、昨日来の報道での樹木希林さんの語録には、思わず引き込まれてしまった。
…何がということではないが、「全身」がんの宣告を受けてから、がんとともに日々を積極的に生きた(少なくともそのように見えた)姿勢には、強い共感を覚える。
それは過酷な闘病ではなく、死への葛藤で気を病むこともなく、身体が老いていくことを素直に受け止めてきたように思えた。
こういう去り方もありかな・・・と。
「体は老いてゆくが、頭の中は若いときと何も変わっていないのがわかった。歳を重ねると頭の中も成長して聖人のようになるのかと思っていたら、違った。
愛情、興味、嫉妬、悲しみ、怒り、何も変わっていない」と彼女は言った。
「老人」という言葉に気負わないで、今を楽しく、若い感覚ですべてに興味を持って生きることは、これ以上ない幸せなのだろうと実感させられた報道だった。
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