連休のある日、よく行く喫茶店にトンカツ定食を食べに行った。
狭くて昭和な店内には、図体のでかい恐持ての客が隣だった。
大盛りのカツカレーを流し込むように食べている。
知り合いだろうか、カウンタのピアスの若者に話しかけた。
「何処の者かと思ったら、XXやないか、大きくなったなぁ~」
「あっ、はい。あきません、まだまだですわ・・」
「ついこないだ、こんな(小さな)餓鬼やったのにな、なっ、マスター」
地声が大きいので、狭い店内が余計に小さく思える。
ひとしきり会話が終わって、「ほ、ほな、お先に失礼します」
カウンターのピアス男が引き上げた。
と、次はマスターに向かって、
「マスター! こないだ、わし、誕生日やったんや、誕生日!」
「誕生日がどないかしたん?」
「いや、献血に行ってきたんや。わし、血が多いから抜いたほうがいいねん。」
「それはいいことやん」とマスター。
「そやろ! 年に2回は日を決めて献血に行くようにしてるんや・・」
それは柄にもなく、可愛いい声でした。
きっと、良い人なんだ・・。
トンカツ定食が急に美味しく感じられたのでした。
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