(2012年のこと・・)
胃癌の診断で胃全摘手術を受けて半年が過ぎた。
病状と体力低下を鑑み病院の規模を診療所に縮小しようかと考えたが、
「病院縮小はもったいない。伊藤先生の健康をサポートするから現状を維持しよう」と足立病院畑山院長から支援の声がかかった。
その後、いろいろあって伊藤病院は足立病院の経営傘下にはいった。所謂M&Aである。
私の術後経過はよかったが、体重は76kgから何と20kg!も減り、首筋はシワだらけになってしまった。
そんな折、足立病院の医師達との新理事会が開かれ、その席上で、
「伊藤も病院経営のために死ぬほど働け! 我々がM&Aした理由は、伊藤病院が保有している病床数だけが目的であることをよく知っておけ」と大坪理事が発言した。
理事会のあと、中華料理店「白雲」で円卓を囲んだ。
好物の「北京ダック」が出てきた! 大好物だが「胃がないのに消化できるだろうか・・・」
恐る恐る口に運んでみた。「やはり、旨い!」
すると、円卓の向こうから、また大坪理事の大きな声が聞こえた。
「伊藤の首筋は皺だらけの北京ダックみたいな! 皮が鳥皮食うとると、共食いみたいな! ははっ」