今日の外来では、遠方から多くの腹腔鏡手術を希望される方が来られた。
伊藤病院のHPとこのブログを読んだという方が殆どで、そういう方に私は
「インターネットの情報やブログに騙されてはいけないよ」とボケることがある。
大抵は自虐的ギャグだと分かって笑ってくれる。
しかし、なかには会話が滑り、私の自虐的ボケを真に受けて怪訝な表情を
されることがある。そんな時は自分の発した言葉を取り戻すべく「いやいや冗談だよ」と
妙に慌ててしまう。
まっ、診察室で初めて会った医師(私のこと)から吉本タレントなみに
ボケられると、普通の方は(特に関西以外の方は)話について来れず、
引くよねぇ・・・ごめんなさい。
今日はそんな失態もなく・・・。
ただ、二人の患者さんが同じような不安を訴えられていたのが気になった。
「数年前から子宮筋腫で担当の先生から『更年期も近いし、
症状がないならそのままでよい』と言われてたが、
最近に検診を受けたら、これまでとは違って
『腹腔鏡手術でお腹を切らずに全摘出でも筋腫だけでも取れるから
手術にしましょうか』と強く勧められた」という。
「これまで『腹腔鏡手術はしていない』と説明を受けていたのに、
今回の検診で急に腹腔鏡手術を勧められたので気になって・・・」と。
こうした相談には正直なところ答えに窮してしまう。
私が返答できる性格の質問ではないのである。
一方、患者さんの不安は納得できることが多い。
患者さんは自分の手術をその病院に任せてよいかどうかの
技量の情報を切に知りたがっておられるのである。
「担当医とよく話し合ってご自分で決めるのが一番」
「相性が良いと思える事が信頼感の始まりですよ」と、
優等生的答えを話すのだが・・・。
これで果たして私のセカンドオピニオンとしての責任は全うできているのか? といつも悩む。