話は8月お盆明けの検査入院に遡る。
入院中の空き時間にお願いした胃カメラで偶然にも深い胃潰瘍が見つかった。
また、ボタ餅のような大きな腫瘍(コブ)が胃の入り口(噴門)にあり、
内側に飛び出すように発育しているのも見つかった。
GISTという胃粘膜下腫瘍である。(子宮に例えれば粘膜下筋腫みたいなもの)
こりゃ困った・・・。
内科のA先生は「先生、GISTのサイズが大きいので胃全摘ですね。」と淡々として告げた。
直径5センチを越えるGISTは胃を摘出して詳しく調べないといけないらしい。
冷静に受け止めたが、私を待っている手術やお産の患者さんの顔が浮かんだ。
私が休診の間、迷惑をかけることになる・・・。
A先生は続けた。「じゃ、早速に外科に紹介しますね。」
思わず、「ちょ、ちょっと、待ってください。」
「腹腔鏡下手術での治療をしたいと思いますので、自分で心当たりの先生に
お願いしていいですか? 他府県なのですが・・・。」と尋ねた。
A先生は一瞬ひるんだが、「もちろん構いませんよ。他府県他施設で手術されても
術後の面倒は大学ですから看ますよ」と応えてくれた。
「すみません。勝手を申して・・・」
さぁ、いそいで私が手術を任せられるカリスマ外科医を捜さなきゃ!!!
つづく