伊藤將史(旧伊藤病院、いとう女性クリニック院長)の「雑感」


伊藤病院を辞し、「いとう女性クリニック」にて診療継続。伊藤將史のひとりごとは続く・・・。
by Dr_M_Itoh
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チャイルドシート完璧マニュアル  100万部発行

チャイルドシートの法制化を機に、私たちがリクルート出版から発行した「チャイルドシート完璧マニュアル」は100万部以上印刷され、保健、交通行政機関やトヨタをはじめとする各自動車メーカーを通じて全国のいたるところに配布されました。
その冒頭に以下の文章を載せました。


『社会の原動力は「子ども」にあるといえましょう。
いつの世も大人たちは「子ども」の未来に夢を託し、励まされながら生きてきました。しかし、21世紀を迎えようとしているいま、少子化が深刻な問題になってきています。
年々その数が減ってゆく「子ども」たちのために我々に何ができるか?
現在世界中で、多くの子どもたちの命や健康が失われていますが、
先進国においては、その原因の1位は飢餓や病気ではなく、不慮の事故なのです。
すなわち、「子ども」を事故から守ることは、私たちの社会の「未来」を創ることにほかならないのです。』



こうした理念は、法制化が成ったあとの今も、伊藤病院の後輩ママに引き継がれています。
そして、伊藤病院の診療理念である「安全」の根本思想にも強い影響を与えています。

当院のHPにドロシー・ローノルト女史「子どもが育つ魔法の言葉」が登場するのも、子どもの安全を標榜する当院のポリシーに彼女が応えてくださったものです。
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# by Dr_M_Itoh | 2005-05-14 23:09 | 子どもの事故 | Comments(0)

赤ちゃんの安全(その2)・・・子供の安全ネットワーク・ジャパンの設立

 前回のコラムで述べた活動は全国に草の根的に拡がり、子どもの不慮の事故防護を目的に「SAFEKIDS NETWORK JAPAN」(参考:2014年にようやく設立されたSafekids Japanのルーツ)という啓発団体が結成されました。そして、子供の安全ネットワーク・ジャパンの活動が行政を動かし、2000年にはチャイルドシート着用義務化が法制化されたのです。

・・・ということは? そうです! 伊藤病院でお産をして私の説教に耳を傾けていただたお母さんたちの行動が、日本を動かし、チャイルドシートの法律をつくったのです。
なんと素晴らしいことではありませんか。
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# by Dr_M_Itoh | 2005-05-13 22:59 | 子どもの事故 | Comments(0)

赤ちゃんの安全(その1)・・・産院でのチャイルドシートの採用

 当院では、10年近く前から、産まれた赤ちゃんをチャイルドシートに乗せて退院していただく啓発活動を始めました。・・・日本で初めての試みでした。
当時、この企画を病院のスタッフに提案したところ、ほとんど全員から「えーっ!」と、ひどく反対されました。当院で産まれた赤ちゃん全員が対象でしたから、「半ば強制的では妊婦さんに迷惑がかかる」、「伊藤病院に誰もお産に来てくれなくなる」、「忙しいので対応できない」などが、反対の理由でした。

  私は反対や障壁があると俄然頑張る性質(たち)で、「産まれて来た子どもたちの命を守るためだし、しいてはその子のご家族のためでもある。このような過激な啓発を提唱をする産婦人科医は変わり者かな?」、「伊藤病院だからこそできる社会貢献だと思うよ」とスタッフたちに居直りました。

  その結果、周産期を通じて、次のようなことを実施することを条件に、スタッフの全面協力を得ることができました。
1.産まれてきた赤ちゃんの命の大切さと、それを守る方法を教える。
2.不慮の事故が子どもの死因の一位であることを伝える。
3.チャイルドシートを安く購入できるシステムを導入する。
4.院内に無料貸し出しができるチャイルドシートを準備する。
5.チャイルドシート着用実地教室を開催する。
6.この活動を全国の産院に拡大する。
7.将来は、チャイルドシートのみならず、子どもの事故全般に対して啓発運動を展開する。

 こうして、早速、伊藤病院でお産をされる妊婦さんたちに、「お子さんにとって安全な家庭環境が如何に大切か」、「チャイルドシート着用を通じて、子どもの安全に対する親たちの意識を高めてほしい」と訴えはじめました。

 啓発活動を始めた次の月から、自家用車で退院されるお母さんたちのほぼ全員が、赤ちゃんをチャイルドシートに乗せて退院してくれました。伊藤病院の患者さんたちは私の唐突な提唱を理解していただく豊かな気持ちをお持ちだったのです。
チャイルドシートに座って退院していく赤ちゃんを見て、大変に感激したのを昨日のことのように覚えています。1997年6月のことでした。 (つづく)
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# by Dr_M_Itoh | 2005-05-12 22:53 | 子どもの事故 | Comments(0)

1日に一組のご家族

1日に一組のご家族・・・まるで、温泉旅館のキャッチコピーのようですね。

一日一人のもてなしを。 
お産に関して私たちが最も重んじることは「安全」です。当院は安全な医療を実現させるために、敢えて、小規模で効率の高い「医院(診療所)」ではなく、医療審査のより厳しい「病院」という形態をとっています。同時に、「小さな病院」の利点を活かし、大病院では望めない患者さん一人ひとりの顔がみえる診療を堅守しています。

 このことが、古くから京都の文化人や知識人に愛され、「何故かわからないが、伊藤病院には癒される雰囲気が漂っている」「一度は伊藤病院で産んでみたい」と言われてきた所以でしょう。

 近年、豪華な設備で年間1,000人以上のお産を取り扱う、所謂、巨大産院が全国に続々と誕生しています。年間1,000人というと、お産が重なる日は1日10人以上の赤ちゃんが産まれる計算です。個々の妊婦さんにとっては、団体旅行に混じったようなものですから、ご自分の希望や思い入れを事前に申し込んでおかなければなりません。一般に、バースプランとか、積極的な自己参加を要望するアクテイブバースといわれるものです。
 そもそも、バースプラン、アクテイブバースの精神は、個々の患者様の人間性を慮(おもんばか)るということですから、黙っていても、病院側からから提供(受け入れ)されているはずのものです。患者様が人生の檜舞台に立つ主人公なのですから・・・。
そして、そのような成熟した病院のスタッフにとっては、患者との人間味溢れるコミュニケーションこそが、「ホテル」を語源とする「ホスピタル」に働く醍醐味なのです。分ってもらえるかな~?

 伊藤病院をお産でご利用される方は、ずーっと昔から年間約300~350人と変わりませんし、今後も、これより多くの分娩数を取り扱うつもりはありません。
そう・・・、お産が始まった妊婦さんに「慮る精神」で接し、ホスピタリテイ(癒し)を感じて頂くには、一日お一人(平均)で精一杯だからです。 

 無事お産が終わって、赤ちゃんと一緒に伊藤病院を退院されるときに、
何かしら心地よい気持ちを感じて頂けたら・・・。それが伊藤病院が長年皆様から教わって、培ってきた当院の「癒し」の雰囲気かも知れません。
(かっこ良すぎるか? でも、ほんと!)


注:一日当たりの最大分娩数の目安ですが、年間分娩数の1/100が1日に集中することがあります。年間分娩数が1,500件なら15名、500例ですと5名といったところでしょうか。
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# by Dr_M_Itoh | 2005-05-03 23:46 | 妊娠と分娩 | Comments(0)

周産期・・・まず安全

まず、私たちの思いを
  当院の第一診療方針は、「安全な医療」です。 病院における「安全」とは、患者様の健康を守り、病気を的確に治すことはもちろんのこと、目に見えないさまざまな危機(リスク)からその生命を防護し、健やかで質の高い人生設計のお手伝いをすることです。例えば、正常妊娠分娩は病気ではないといわれていますが、実際には妊婦の4人にひとりは何らかの産科合併症が潜んでおり、その異常は突然現れてきます。これらを未然に防ぎ、また発症した場合でも重篤になる前に回避することが、周産期医療に求められているところです。一方、近年叫ばれている医療過誤に対する危機回避も「安全」追求の面から大変に重要なものといえます。
 当院では幸いなことに、開院以来、お産での母体死亡例はありません。もちろん医療訴訟例もありません。今後も、患者様の身近でおもてなしすることにより、より高い「安全」を追求し、皆さんに「安心」していただける病院でありたいと考えています。
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# by Dr_M_Itoh | 2005-05-03 22:42 | 妊娠と分娩 | Comments(0)
「伊藤病院」閉院
■癒し系病院として皆さんに愛された医療法人誠仁会「伊藤病院」は、2014年6月1日に閉院しました。

■日本初の腹腔鏡手術を行い、わが国のリーダー的存在だった伊藤病院の腹腔鏡下手術は伊藤將史医師退職に伴いいとう女性クリニックに継承された。
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