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世界内視鏡外科学会   

2008年 09月 02日

  第11回世界内視鏡外科学会が今週横浜で開催される。私も参加したかったが、病院業務に忙殺され、欠席をすることにした。

 世界内視鏡外科学会は1988年、ベルリンで第1回が開催されて以来、今年で11回目を迎える(隔年開催)。その間、日本では1994年に第4回世界内視鏡外科学会が東大、出月康夫会長のもと京都国際会館(伊藤病院から5分の距離!)で開催された。私も事務局からの要請を受けて伊藤病院での実績を発表した。

 出月教授といえば、腹腔鏡下胆嚢摘出術の日本でのパイオニアである。「東大」の外科が腹腔鏡下手術をいち早く取り入れたことから、当時日本中の外科医がこの手術法に取り組み胆嚢摘出術は急速に国内でも拡がった。これより先の1989年頃から子宮や卵巣の手術をしていた我が伊藤手術チームは、1992年頃から突然手術機器や器具が円滑に手に入らなくて困ったことを覚えている。それほど胆嚢摘出術の普及は爆発的だった。

 腹腔鏡下手術ではまだ歴史の浅い日本ではあったが、京都宝ヶ池で行われた本学会には世界中から外科、泌尿器科、産婦人科、整形外科医が大勢参加し、充実したものであった。
最終日には将来の腹腔鏡下手術を担う若手に「Young Award」が贈られることになっており、東大の堤先生から予め私を推薦したとの知らせをいただいた。

「伊藤先生をYoung Awardに推薦をしておきましたから、よろしく」
「あっ、はい。光栄なことで、ありがとうございます!」とその場を離れた。
(内心:ウレシー!)

が、よく考えてみるとヤングって何だろう・・・? (ヤング、オーオー!でもあるまいし・・・古!)
僕はその時既に40歳を越えていた。

「堤先生、あの~、ヤングって何歳でしょうか?」
「35歳以下じゃなかったかな~?」
「そっ、そうですよね! とても40歳以下ではないですよね?(40歳以下でもだめなんですが)」
「えっ?」と堤先生。
「はい、僕、40歳をとうに過ぎているんですが・・・。」
「・・・・・・・(長い沈黙と感じた)、そうでしたか・・・、これは大変失礼しました。」

会話はこれで終わった・・・。
堤先生は私の歳を若く見たのを申し訳ないと思われたのであろう。前言の繕いはされなかった。
私は若く見てもらえてうれしかったのだが、堤先生は私の薄い髪を知りながら、ほんとに35歳以下と思ったのだろうかという疑問と、表彰を逃して残念な思いが残った。

・・・
 のちに堤先生と近しくなり、同世代同士との認識を持ってもらったが、1990年前後の私の手術発表は彗星のごとき衝撃であり、言葉を換えれば、「ポッと出てきた若手が何をしでかすねん?!」との印象があったのであろう。それほど日本の腹腔鏡下手術は黎明期だったのである。

参考:卵巣嚢腫、子宮内膜症性嚢胞の核出術(1989年)
   子宮筋腫核出術(1990年)
   子宮全摘出術(1991年)などの術式は我々が日本で初めて
臨床に導入した。これを海外から応援してくれたのは、
ブログによく登場するHarry Reich先生である。







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by Dr_M_Itoh | 2008-09-02 10:55 | 腹腔鏡下手術 | Comments(0)