伊藤將史(旧伊藤病院、いとう女性クリニック院長)の「雑感」


伊藤病院を辞し、「いとう女性クリニック」にて診療継続。伊藤將史のひとりごとは続く・・・。
by Dr_M_Itoh
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カテゴリ:ダヴィンチ胃摘出ー体験談( 9 )

退院 そして・・・

  9月21日に腹腔鏡下手術にて胃摘出を受けた私は、いたって元気に回復し、術後10日目には、外泊許可をもらって、ひとりで豊明市から名古屋経由で、伊藤病院に戻ってきた。体は元気だが、飲むことと食べることが儘ならないので、チビチビとお茶を飲みながらの冒険であった。

伊藤病院では、名古屋に居るはずの院長が、突然ヌーっと現れたものだから、スタッフはたいそうびっくりしたが、ひょっとして私はこのイタズラをするために伊藤病院に戻ろうとしたのかも知れない。

明けて月曜日には、今度は自家用車を運転して、豊明の病院に戻った。

入院生活は食事摂取とリハビリのようなもので、食べたいと思ってもお腹が受け付けない。量にして、お粥半人前が精一杯。 これが情けなかった。

そうこうしていると、病理結果が出た。粘膜下腫瘍は核分裂ゼロの良性!
追加治療は何もすることはないらしい。 検診? それも3ヵ月後でいいって・・・。

「あとは段々と食事ができるようになるから、頑張ってください。何を食べても構わないしね」と退院時に世話になった主治医から言われた。

うれしいのだが、内心、悲劇の医師を覚悟していた私は、何だか拍子抜け。
「それって、・・・ただ胃を取っただけで話はおしまい?」

悲劇の医師に成れなくって、飯も腹いっぱい食えなくって、
あ~ぁ、また過酷な仕事が待っているぅ~!
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by Dr_M_Itoh | 2010-11-25 17:20 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(0)

手術入院

 8月24日に診察を受け手術の申込みをした私は、9月18日の入院までの期間
特段することもなし、術後バカ食いができなくなるらしいので美食をと目論んだが、
それも多忙ゆえ叶わず・・・。 
気がつくと、あっという間に一ヶ月胃過ぎ、入院当日を迎えた。

9月18日、入院後、再度胃カメラで粘膜下腫瘍の発生部位を確認。
やはり全摘が適応らしい。 ・・・観念することに。

連休明けの21日、手術当日だ。

今思い出しても、どんな気分でその日を迎えたかはっきりと覚えていない。
それなりに緊張はしていたのだろう。
新米の看護婦さんのたどたどしいスコートに内心イラついた記憶だけが残っている。
「節目だけは頼りがい(信頼感)のある看護師さんがついてくれないかなぁ~」と。

その後は、手術室に入り、気がついたら麻酔で寝かされていた。
(麻酔されているので気がつくはずもないが・・・、まっ。そんな感じだ。)

・・・手術中・・・

術後、本当に気が付いたのは手術室から廊下をストレッチャーで運ばれている時。

廊下がクネクネと曲がっていて、そのたびにストレッチャーが90度激しく方向を変えるから
酔いそうになって目が覚めた。
「ゆっくり走ってぇ~。酔いそう!」と訴えたが、声にならなく、聞こえるはずもなく・・・。

病室に入って、ベッドに移り、漸く長男と家内が見守ってくれているのに気がついた。

看護師が点滴やらチューブのセッテイングのために狭いベッド周りを動き待っている。
そのたびに看護師のおしりがベッドの端に当たってベッドが”ガン!”と揺れる。
この衝撃が、また腹ドレーンにひびく!
「ベッドに当たるなぁ!」と言いたいが、声にならなく、聞こえるはずもなく・・・。

朦朧としていたところに、宇山先生が現れた。
「手術はうまくいきましたので、何の心配もありません」
「ありがとうございました」とお行儀のよい患者でいようと声を振り絞ったが、声にならなく・・・。

そうこうしている内に、また眠ってしまった、ようだ。

あくる朝、一般病棟に転室。
どんどん動けとの指示有り。 で、トイレまで独りで歩いていった。

・・・やはり、患者の立場からしても腹腔鏡下手術はすごい。
翌日に、支えなしでこれだけ廊下を歩けるのだからと、関心しきり。
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by Dr_M_Itoh | 2010-11-20 11:26 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(11)

ロボット支援胃手術が決定

 8月24日、藤田保健衛生大学に診察予約時刻に辿りついた私の前に、宇山一朗教授は颯爽と現れた。アイコンタクトでお互い会釈をし、先生の診察室に案内された。
宇山先生の時間がないので、挨拶もそこそこに早速本題に。

  「伊藤先生から頂いたデータを見てみると、結論としてはやはり手術ですね。」
  「はい、心得ております。」

直接には初対面だったが、私は直感で宇山先生を気に入った。
患者がこの医師に手術を任せてよい(任せたい)という安堵感だ。

  「ダビンチ(手術支援ロボットの名前)でしましょうか? 伊藤先生、如何ですか?」
  「宇山先生ご自身ならどうような選択をされますか?」
  「私なら、ここの教室の金谷(助教授)にダビンチでしてもらいます。」
  「わかりました。ダビンチでいきましょう! 日本で初めての医者の患者のダビンチ手術ですね。宜しくお願いします。」

仕事柄、他人の段取りを決めるように私の手術を宇山先生とスケジュールした。
次の受診は約一ヶ月後の9月18日の入院まで、・・・何もない。

腹腔鏡下手術が決まってホッとしながらも、あまり円滑に話が進んだので、「これでいいんかいな・・・?」、っと、名古屋を後にした。・・・手術前の緊迫感はない。
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by Dr_M_Itoh | 2010-11-15 12:04 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(2)

カリスマ外科医のもとへ

 深夜のビジネスホテルの暗くて狭い階段を新米の泥棒のように忍び足で部屋にたどり着いた。くつろぐ暇も空間もなく、ベッドイン。

Zzz・・・

朝、7時に起床。8時前に大学病院のロータリーに到着。

窓口で手続きを済ませ、外科外来に。
スタッフは大学病院にしては概ね丁寧で親切だ。
外来に書類を出して、待つことしばし・・・。

廊下の端から、颯爽と宇山先生が現れた!

つづく

注記;これは去る8月24日の出来事です。
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by Dr_M_Itoh | 2010-10-29 12:08 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(2)

胃手術執刀医―藤田保健衛生宇山教授に

夜の第2名神は空いていて快適そのもの。京都から1時間30分かからずに名古屋に。港の巨大吊り橋群を抜ければインターだ。・・・と、急に道路標識の数が増えてきた。
豊明、豊田方面、名古屋方面、東名・・・↑→↓←と緑色の看板と道路の分岐ばかりが目に付く。
わけがわからない。 NAVIはなんだか信用ならんことを口走っている・・・。

えいくそっ! 「豊明」とやらで降りよう!と左側道から一般道に。

あれ~? 一般道に降りたはずがくねくねカーブして立体交差で東名高速を横切った!
間違ったようだが流れに乗って走るしかない、・・・と、また「豊明→」の表示が!

ここだ!と思って、ハンドルを切って進入。・・・でもこの道、何故か高架に向かって登坂!
ありゃ~! トラックの集団が後ろからやたら高速で走ってくる!

んっ? ここはまた東名高速道路じゃないか!
どうやら、一般道から再び東名高速に乗り込んだらしい・・・。 困った。

慌てて、次のインターで降りた。
やはり、立体交差ばかりでNAVIが道路を感知できないらしい。

こうなったら、一般道をヨボヨボと走って大学にたどり着くしかない・・・。

通常なら10分の距離を、1時間以上かけて丘陵地帯に建つ藤田保健衛生付属病院の玄関にたどり着いたのは深夜の1時を回っていた。森の中にある深夜の大学病院の巨大ロータリーを走りながら、NAVIに地点登録をして、逃げるように病院の敷地をでた。

あーっ、疲れた。明日はいよいよ受診だ。
8時半に間に合う。

(深夜に下見に来なければ、翌朝は時間通りに来ることはできなかっただろう・・・と、思った。 えっ? 何処に泊まったかって? 近くの小さくて古くて暗~いビジネスホテル! 寝られればいいし・・・。)

つづく

注記;これは去る8月23日の出来事です。
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by Dr_M_Itoh | 2010-10-28 14:59 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(0)

胃手術―執刀医さがし

 盆明けに胃粘膜下腫瘍で胃全摘を告げられた私は、早速に自分の経験から腹腔鏡下手術での治療を決断し、執刀をお願いする外科医を調べた。

幸い私の腹腔鏡下手術仲間が外科系にも及んでいることもあって、すぐに何人かの候補があがった。倉敷の安藤先生(婦人科)や広島の内田先生、栃木の金平先生らに相談し、結局、藤田保健衛生大学の宇山一朗先生にお願いすることになった。
(宇山一朗;王貞治名誉監督の執刀医である)

8月21日(土)に検査入院から退院し、23日(月)には早速に宇山先生から電話を頂いた。

「伊藤先生、明日24日こちらにこれますか?」
「えっ、明日!? ・・・あっ、はい!」

ううっ、話が早い。

「状況はよく分かりましたので、明日の朝、手術前に拝見して話しを決めましょう。
できれば8時半頃お越しください。」
「分かりました。ありがとうございます。」

藤田保健衛生といえば名古屋の南東の豊明市、交通渋滞の激しい地域だ。
明日(月)早朝に出かけても通勤渋滞に巻き込まれたら、8時半に受診できる自信はない。

「よし! 今晩(日)出かけよう!」と決めて深夜の第2名神を名古屋に向けて出発!

つづく

注記;この記事は去る8月23日の出来事である。
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by Dr_M_Itoh | 2010-10-25 07:42 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(13)

胃に粘膜下腫瘍が発生

 話は8月お盆明けの検査入院に遡る。

 入院中の空き時間にお願いした胃カメラで偶然にも深い胃潰瘍が見つかった。
また、ボタ餅のような大きな腫瘍(コブ)が胃の入り口(噴門)にあり、
内側に飛び出すように発育しているのも見つかった。
GISTという胃粘膜下腫瘍である。(子宮に例えれば粘膜下筋腫みたいなもの)

こりゃ困った・・・。

内科のA先生は「先生、GISTのサイズが大きいので胃全摘ですね。」と淡々として告げた。
直径5センチを越えるGISTは胃を摘出して詳しく調べないといけないらしい。
冷静に受け止めたが、私を待っている手術やお産の患者さんの顔が浮かんだ。
私が休診の間、迷惑をかけることになる・・・。

A先生は続けた。「じゃ、早速に外科に紹介しますね。」
思わず、「ちょ、ちょっと、待ってください。」
「腹腔鏡下手術での治療をしたいと思いますので、自分で心当たりの先生に
お願いしていいですか? 他府県なのですが・・・。」と尋ねた。

A先生は一瞬ひるんだが、「もちろん構いませんよ。他府県他施設で手術されても
術後の面倒は大学ですから看ますよ」と応えてくれた。

「すみません。勝手を申して・・・」
さぁ、いそいで私が手術を任せられるカリスマ外科医を捜さなきゃ!!!

つづく
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by Dr_M_Itoh | 2010-10-20 17:21 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(4)

検査入院体験記/番外編

  入院検査の疲れを癒そうと、京都近郊のとある立ち寄り温泉に出かけた。
自動販売機で入浴券を購入して脱衣場に入って、初めて気がついた!

「あ~、忘れていた! 僕は検査直後でイモムシ君!」だったのだ!

「どうしよう・・・、止めようか? いや、このくらい・・・なんてことはない。男だろう!」と
自分に言い聞かせてフルッチンに。

「うーん、タオルで前を隠さないと、とても・、 とても・・・。」
それにしても、何で今日は混んでいるんだ?

そういえば息子たちも中学生の頃、前かがみに腰を引いてタオルで隠していたな。
「チン毛がぁ~」と、可愛いもんだったが・・・。

僕の場合は、いまさら・・・、可愛くないし。
脱衣場で体を拭って、パンツをはいたら、俄かに元気が戻ってきた・・・。

あ~、疲れた・・・。
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by Dr_M_Itoh | 2010-09-17 13:22 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(0)

検査入院体験記

 過去のブログで私の尿路結石の話を申しあげた。この原因を精査していくと、血中Ca値が高値だったり、高血圧気味であることがわかり、8月の盆明けに京都府立医大に検査入院した。
主に副甲状腺、副腎の機能と画像検査が主であったが、ハイライトは大腿血管からのカテーテル(静脈)検査。そして検査の合間に担当医が入れてくださった胃カメラと大腸ファイバー!

絶食だの下剤だの剃毛!など・・・大変だったが淡々とこなした!

①胃カメラの絶食は、問題なくクリア。でも検査が生検を伴い苦しかった
(途中から麻酔をかけられたので意識なし・・・)。 

②大腸ファイバーは、前々日の夜にラキソベロンという下剤を丸々一本飲み、まず宿便をとる、
その次の日に、ムーベン(ムーヴと便からとった商品名)2リットルを一気飲み。これが苦しい。
ポカリみたいな味で腸で吸収されない飲み物で、これを飲むと肛門からおしっこがでるようなピーピーになる。その色が米のとぎ汁のようになれば合格!
伊藤病院でも患者さんに飲んでいただくことがあるので、私も潔く体験!

1.8リットルを飲んだところで、ドクターストップ!
(ドクターとは私のこと! 「これで十分だろう」と自己判断し・・・)

③剃毛は、鼡径部から血管カテーテルを入れるため、毛が邪魔なので必須処置。
内容が理解できるので仕方ない!(若い看護師さんに当たればよいが・・・、でないならDIYの方がまし。)
看護師さんに「全部ツルツルに?」と尋ねると、「はい、全部!」と言われ、外出の際にDIYで自宅風呂場で剃毛を。 ・・・根性入れてツルツルピンにしてやったぞ! 
  
でも、見るも無残な姿に! 

・・・つづく
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by Dr_M_Itoh | 2010-09-12 08:53 | ダヴィンチ胃摘出ー体験談 | Comments(0)
「伊藤病院」閉院
■癒し系病院として皆さんに愛された医療法人誠仁会「伊藤病院」は、2014年6月1日に閉院しました。

■日本初の腹腔鏡手術を行い、わが国のリーダー的存在だった伊藤病院の腹腔鏡下手術は伊藤將史医師退職に伴いいとう女性クリニックに継承された。
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