伊藤將史(旧伊藤病院、いとう女性クリニック院長)の「雑感」


伊藤病院を辞し、「いとう女性クリニック」にて診療継続。伊藤將史のひとりごとは続く・・・。
by Dr_M_Itoh
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カテゴリ:子宮筋腫( 7 )

年初から多発性子宮筋腫核出術がつづく

今年の年末年始は曜日の関係で休みが短くあっという間に
過ぎてしまった。そして一月ももう後半・・・今月は多発性
子宮筋腫の症例が続いた。 
手術枠が足りないため1月10日の休日も返上で、
腹腔鏡下手術を2件おこなった。
術後、皆さん元気に回復され、喜んで退院された。

お正月早々患者さんとそのご家族も大変だったろう。

今週はちょっと暇になり、水曜日に卵巣嚢腫の手術のみ。
いつもの手術日(土曜日)は手術なしで東京の研究会に
出席予定だ。ディナゲストという子宮内膜症に効果のある
ホルモン剤の研究会で全国から専門の医者が200名ほど
集まることになってる。
私は、研究会の内容もさることながら全国の腹腔鏡下手術の仲間たちと久しぶりに会えるのが楽しみだ。

そういえば、今月は子宮筋腫や子宮内膜症の手術の
問い合わせが多い。・・・どうしてかなぁ?
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by Dr_M_Itoh | 2011-01-25 13:34 | 子宮筋腫 | Comments(4)

腹腔鏡下手術なら子宮を残せるか?

  伊藤病院では「できるだけ子宮を残してあげたい」と過去のブログで申し上げた。子宮筋腫で子宮をとらないということは、手術をしないか、筋腫核のみを核出するかだ。
当院では45歳以下で、独身もしくは結婚していてもお子さんがいない方が、妊孕力(妊娠できる力)保持のため子宮を残して欲しいと希望される場合は極力ご希望に副うよう努力してきた。
 
  しかし、最近、妊孕力のない更年期(50歳ころ)の方が、「他の病院で子宮を取る手術を勧められたが、腹腔鏡下手術で子宮を残して欲しい」と来院されることが多くなってきた。こういった傾向は全国的なもので、腹腔鏡下手術を専門に行う病院は概ね同じような傾向にある。
そういった患者さんに共通する「思い」は、腹腔鏡下手術なら大きな子宮筋腫でもお腹を切らずに、「簡単に」子宮が残せると誤解されている点だ。

 一般に、更年期の筋腫では閉経後の子宮萎縮(小さくなること)を期待して手術を勧めることは少ない。にもかかわらず、医師が子宮摘出を勧めるということは、子宮摘出術が相応しい適応が存在するからだ。(例えば臍の高さまでお腹が膨らんでいるなど)

こういった方が、腹腔鏡下手術なら筋腫核出術が簡単にできると思い込んで相談に来られるのである。子宮摘出か筋腫核出かという目的と、開腹か腹腔鏡下手術かという手段を混同して考えておられることが多い。

率直に申し上げると、妊孕力のない子宮には筋腫核出術の適応はないというのが婦人科治療における教科書的な考え方である。この考え方は開腹術の場合でも腹腔鏡下手術の場合でも変わりない。

  精神的に子宮は残したいという気持ちは十分に理解できるが、手術治療には適応(手術の必要性)と要約(手術をしてよいか)がある。適応と要約を踏まえない手術(治療)は、不適当な医療手段といわざるを得ないところがある。

更年期で大きな子宮筋腫でお悩みの方は、こうした点をどうか理解していただきたい。
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by Dr_M_Itoh | 2008-03-28 17:31 | 子宮筋腫 | Comments(6)

病気が治れば心も治る(多発性子宮筋腫)

  子宮筋腫の患者さんのなかでも、お子さんがなく、筋腫が大きく子宮摘出を告げられた女性の精神的なプレッシャーは、周りの想像を超えるものがある。 

 Aさんは、多発性筋腫のためいくつもの病院で子宮全摘を勧められた。はじめはショックを受けたが、もう40歳を過ぎ、症状も強かったから子宮を取る決心をして伊藤病院に来られた。

やはり、私も子宮の摘出が妥当かと診断し、そのように告げた。
聞くところ、情緒不安定で、心療内科からたくさんの薬をもらっているという。
その理由は、子宮を取らなければならない精神的負担かと思われたが、事情を聞くとそんなに単純ではないらしい。

Aさんの夫が子宮を取ることに大反対なのだ。

夫曰く「理性ではわかっていても、自分の好きな女性の子宮がなくなることは大変つらく、もう女として妻をみられない」というのだ。何とも正直でまじめな方で、Aさんを彼なりに愛して(甘えて)いるのだろう、彼女の身体が完全であって欲しいという思いが強い。

夫の意見を聞いたAさんは、「自分が貧血や腹痛でこんなに苦しんでいるのに、ましてや、自分が最も辛い摘出手術の決断をしているのに、この期に及んで、まだ子宮が大切と思い込んでいるの!? 私と子宮とどちらが大切なの?」 と、半ば呆れて、本気で離婚を考えているらしい。

(ちょっと、待って! 子宮を取って離婚かよ・・・。)

これはなんとか避けなければならない。
Aさんは、ご主人との泥沼の対決のなかで、片意地をはって「絶対に子宮を取ってやる!」と意気込んでいるのではないかと判断した私は、思い切って、子宮を残す提案をしてみた。

「手術は難しいが、子宮を残す努力をしてみようか・・・?」と申し出た私に、Aさんは、「えっ?」と戸惑いの表情を浮かべた。
「だって、子宮を取って、意地を張って、そのうえ離婚してどうするの? ご主人のことは嫌いじゃないんでしょ?」と続けた。
「嫌いではないけれど、”子宮”があることに拘る男が何とも情けなくて・・・。」と、身をよじって訴えるAさん。
「そりゃぁ、僕だって困ったご主人だと思うが、反面、奥さんの体に拘る男の気持ちもわからなくはない・・・。 じゃぁ、もう一度、原点に戻って尋ねるが、Aさん自身、子宮はあったほうがいいの、それともなかったほうがいいの?」と究極の質問をぶつけた。
「えっ!・・・そりゃぁ・・・、あ、あるに越したことはないですよ~。誰も好き好んで子宮を取りたいと思わないでしょう?!」とAさんの本音が口をついた。(これまで、子宮は取ってやるー!と意気込んでいたAさんの肩の力がフーッと抜けたような気がした。)

「よし! じゃぁ、ご主人の希望がどうあれ、原点に戻って子宮を残すべく手術をしてみよう! うまく残せたら残すし、元に戻らないような子宮だったら摘出するということで頑張ってみよう!」と申し上げると、Aさんの顔がサァーと明るくなった!
「出血が多く輸血の可能性があるし、再発の可能性も高い、症状がすべて取れるかどうかわからないが、頑張ってみるか!」
Aさんは、私の言葉に黙って頷き、笑顔をみせた・・・。ご主人もうれしそうだった。

ご主人には、「もし、奥さんの生命にかかわる病気の時に同じようにダダをこねたら、本当に離婚されるよ!」と付け加えた。



手術が無事終わって・・・。

先日、術後健診にAさんが来院した。
「えらく顔色がいいね!元気そうだねぇ~!」
「はい! 心療内科の先生も私の元気さにびっくりされていました。薬ももう飲まなくてよいだろうと。 で、主人とも仲良くなって・・・、喧嘩をしても長引きませんし、5分もすれば仲直りです!」

よかったねー! 忘れられない患者さんがまた一人増えた・・・。
私からもお礼をいいます。元気になってくれて、ありがとう!

(注;大きな筋腫をお持ちのすべての方に、子宮筋腫核出術が当てはまるわけではありません。)
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by Dr_M_Itoh | 2007-09-11 13:00 | 子宮筋腫 | Comments(0)

子宮筋腫最新の治療法

  フジテレビの朝の放送の「検証日本の医療:切らずに治す・・・子宮筋腫の最新治療法」というタイトルの番組があった。

 子宮筋腫に対して、①UAE(子宮動脈塞栓術)、②腹腔鏡下手術、③FUS(集束超音波治療)の治療法が紹介されていた。
①は子宮動脈の血流をカテーテル処置によって途絶させて、子宮そのものへの栄養を断って筋腫も小さくしようというものである。
②傷の小さな腹腔鏡下手術で、筋腫を外科的に核出しようとするものである。
③はMRIで筋腫の位置を決定し、そこに超音波を集束させて熱で変性させようとするものである。

 皆さんは、腹腔鏡下手術の専門である私がどのような考えを持っているか興味があると思うので、一言コメントを述べておきたい。
今後、妊娠の希望があれば、たとえ40歳を越えていても、①、③は避けるべき。
やはり、②がよい(勿論、開腹での筋腫核出術も同じ目的だ)。
しかし、妊娠の可能性が全く無く、閉経間近のご婦人には、十分検討したうえでUAEも悪くないかもしれない。FUSについては、私の知識も無く、はっきりしたことは申し上げられない。

 番組を見ていてもっとも印象的だったのは、四谷メディカルキューブの子安保喜先生が人間味溢れるいい顔をしていたなーということだ。彼とは腹腔鏡下手術のパイオニア仲間で、かつ大学が同窓であることや、関西出身であることなどが理由で大変親しくしてもらっているが、誠実な性格が素晴らしい好人物である。
スーパードクターも結局は人間性が何より重要ということ、そしてその人柄がブラウン管を通じて伝わってくる・・・。 ブラウン管で拝見した子安先生もまさにそうだった。

昨日、早速に「子安先生! 実にいい顔をしていたよ。」と電話で伝えました。

・・・じゃあ、①と③の先生は?って。  ・・・わからない。 
でも、ブラウン管は人の内面まで描写する。怖いものだ。  ・・・ん?
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by Dr_M_Itoh | 2006-12-13 14:47 | 子宮筋腫 | Comments(1)

子宮筋腫 日帰り治療

 今日テレビで子宮筋腫の最新治療として超音波集束照射療法を取り上げていた。MRIの断層撮影で筋腫の位置を把握し、コンピューターの誘導によって筋腫部位に超音波を集束させて筋腫を壊死(腐らせる)というものである。筋腫はなくならないが、小さくなる。

 近年、この治療法は注目されて入るが、全ての人にとって朗報というわけではない。特に、これから妊娠しようという若い女性、また、多発性の筋腫がある方にとっては、デメリットもある。伊藤病院でも「この治療を受けたが治らなくて・・・」と相談にこられる方が少なからずおられる。

よく相談されてから、治療方法を選択して欲しい。
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by Dr_M_Itoh | 2006-11-30 16:25 | 子宮筋腫 | Comments(0)

子宮筋腫手術後の妊娠・・・おめでとうございます!

 子宮筋腫が不妊症の原因になるかどうかは、難しい要素がたくさんありひとことで述べることはできません。子宮の外側の漿膜に向かってできる筋腫は症状も無く不妊の原因にはなり難いですし、反対に子宮の中に向かってできる粘膜下筋腫は不妊症・不育症の原因の一つです。
 
 当院には、他医にて大きな筋腫を指摘され子宮摘出をすすめられた患者さんが〈駆け込み寺〉のように「子宮は取りたくないので何とかならないか?」と相談にみえることが少なくありません。そのような患者さんには、筋腫核出のリスクをお話して何とか子宮を残す手術を提供しています。

 ちょうどお正月に、2年前の平成16年に腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を受けられた患者Aさんから「妊娠しました!」とのメールを戴きました。
当時、Aさんは37歳の独身。紹介されて当院を受診されたのですが、診察するとお臍近くまで達する小児の頭より大きな子宮(正常な子宮は玉子より少し大きい程度)が触れ、複数の筋腫がありました。十分な準備をして、合計450グラムの筋腫を手術で取り除きました。
手術後は経過良く回復され、17年に結婚! そして半年してこのたび妊娠されました。

お便りを戴いてなんともうれしい限りです。無事な妊娠経過をお祈りしています。
帰省分娩を待っていますよー!
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by Dr_M_Itoh | 2006-01-24 19:38 | 子宮筋腫 | Comments(7)

伊藤病院は子宮を取らない?!・・・はたして本当か?

  先日、40歳の女性医師の腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術をさせていただきました。 
多発性の子宮筋腫と子宮内膜症性卵巣嚢腫のため、強い月経痛で苦しんでおられたのですが、無事、筋腫核出と内膜症の切除ができました。術後、ご本人に手術のビデオ記録をお見せして、手術の内容を説明しておりましたら、お礼の言葉と同時に、次のような質問を受けました。 

 「先生、一般には、私の年齢で多発性筋腫の場合、子宮全摘出術が適応なんですか?」と。私は、独身の方の質問としては、少し意外な感じがして、
「えっ? どうして? あなたは独身だし、お子さんもまだだから子宮は摘出するわけにはいかないでしょう。」
「そっ、そうですね! でも、職場の者からは『当然子宮は摘出したのだろう?!』と言われました。それが標準的な手術治療法のように言われて・・・、取らなかったことがちょっと心配になっていたんです。私が不適当な術式を選択をしたのかなって・・。」
「いえ、たとえ『この際全部取って欲しい』と頼まれても、私は躊躇してしまいます。どうしてかって、手術から回復すれば妊娠は可能ですから。臓器を摘出する時はその方の様々な社会的背景を踏まえて決定します。」 ・・・女性医師の顔にパーッと花が咲きました。私も良かったと思っています。


  子宮筋腫で子宮を残す手術をした場合、筋腫の再発の可能性があります。しかし、一方、また筋腫ができたら困るから、あるいは子宮癌に罹る心配が無くなるからという理由で、安易に子宮摘出が選択されることはあまり賛成できません。 過去に子宮摘出がさかんに選択された理由のひとつに、男性医師の考えに基づく一方的な説明があったのかなという気がしないでもありません。



  先日も、近医で子宮筋腫だといわれた方が受診されました。やはり手術は必要なのですが、筋腫核出術でも子宮摘出術でも選択が可能です。この方は既婚で、お子さんが2名、年齢はまだ30才後半です。筋腫のみを取るべきか、それともこの際、子宮を全部取るべきかを随分悩んでおられました。
  お話をしていくなかで、「私は子宮を取っても良いんですが、主人が子宮を取らないで欲しいと申しまして・・・」と患者さんが仰いました。術式の選択に迷う場合、夫婦生活をともにするご主人の心情や意見も無視できません。
「それならば、やはり子宮筋腫核出術を選択されますか? もう一度ご主人とじっくり話し合ってください。」とお答えしました。(その結果、子宮筋腫を丁寧に取る腹腔鏡下手術を行いました。)

♪♪

「子宮摘出がきっかけで性生活が無くなってしまって・・・」と嘆くご婦人も少なくありません。
しかし一方では「性生活がなくなって、あー、すっきりした!」ニコニコ顔の『ツワモノ婦人』もいらっしゃり。 
うーん・・・、まっいいかぁ。 病気と人生、やはり難しいものがありますね。


注;子宮筋腫でも子宮全体を摘出したほうが良い場合も当然あります。単に子宮を残すのがよいと申し上げているのではありません。(例:症状の強い子宮腺筋症の合併など)
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by Dr_M_Itoh | 2005-06-18 23:33 | 子宮筋腫 | Comments(0)
「伊藤病院」閉院
■癒し系病院として皆さんに愛された医療法人誠仁会「伊藤病院」は、2014年6月1日に閉院しました。

■日本初の腹腔鏡手術を行い、わが国のリーダー的存在だった伊藤病院の腹腔鏡下手術は伊藤將史医師退職に伴いいとう女性クリニックに継承された。
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