昨日はお産が3人。珍しく難産が重なった。
その内容は、予定日超過、微弱陣痛、胎盤癒着、胎児切迫仮死、膣壁血腫、頸管裂傷など・・・、病名を聞くと苦しくなる。
このような異常に対して、微弱陣痛なら陣痛促進を、癒着胎盤なら胎盤用手剥離を、胎児切迫仮死なら赤ちゃんを助ける処置(今回は吸引分娩)を、膣壁血腫や頸管裂傷なら産科的手術などを的確に行うことで、何とか良い結果になるよう我々は努力する。
これが産科医による周産期医療が必要な理由である。
一般に、「自然」なお産が「安全」なお産の代名詞のように使われているが、上記の産科異常は「自然」がもたらした「異常」なのである。 「自然」には、優しい面と恐ろしい面があることを知っておいて欲しい。(ちなみに、処置が的確であったため、3組の母子は何事もなかったようにニコニコと元気にされている。)
一方、外来では、明らかな難産が予測される妊婦さんに、「帝王切開によるお産がより安全である」とお話しているが、「自然がいい!」との返事をいただいている。 (違うし・・・)
どうしたものか・・・。産科医の永遠の課題である。