9月21日に腹腔鏡下手術にて胃摘出を受けた私は、いたって元気に回復し、術後10日目には、外泊許可をもらって、ひとりで豊明市から名古屋経由で、伊藤病院に戻ってきた。体は元気だが、飲むことと食べることが儘ならないので、チビチビとお茶を飲みながらの冒険であった。
伊藤病院では、名古屋に居るはずの院長が、突然ヌーっと現れたものだから、スタッフはたいそうびっくりしたが、ひょっとして私はこのイタズラをするために伊藤病院に戻ろうとしたのかも知れない。
明けて月曜日には、今度は自家用車を運転して、豊明の病院に戻った。
入院生活は食事摂取とリハビリのようなもので、食べたいと思ってもお腹が受け付けない。量にして、お粥半人前が精一杯。 これが情けなかった。
そうこうしていると、病理結果が出た。粘膜下腫瘍は核分裂ゼロの良性!
追加治療は何もすることはないらしい。 検診? それも3ヵ月後でいいって・・・。
「あとは段々と食事ができるようになるから、頑張ってください。何を食べても構わないしね」と退院時に世話になった主治医から言われた。
うれしいのだが、内心、悲劇の医師を覚悟していた私は、何だか拍子抜け。
「それって、・・・ただ胃を取っただけで話はおしまい?」
悲劇の医師に成れなくって、飯も腹いっぱい食えなくって、
あ~ぁ、また過酷な仕事が待っているぅ~!